きみを好きになる瞬間
望んでいるのは
成績は中の中、可愛いとも不細工ともどちらとも言えない本当に普通の顔、まあわかりやすく言えば、
平凡。
それが今のところの私の人生だ。
特に大きな失敗もすることもなく、修羅場に立ち会うこともなく、平和に暮らしてきたと思う。
だけど、私の近くには小さい頃から厄介なやつがいる。
俗に言う幼なじみというやつだ。
「弥生、弥生」
こうやって、学校帰りとかになると私のまわりをちょろちょろとしてくる男子高校生。
北村結生(きたむら ゆき)。
こいつがまた本当に厄介なやつだった。
ただの幼なじみならちょろちょろとしてくるのもまあ許可しよう。
だけどこいつはもういろいろかけ離れているんだ。
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