きみを好きになる瞬間

それから、今付き合ってますというのも怪しまれるんじゃないかという話し合いの結果から、しばらくしてから結生に話すことにした。


その数日後、さっそく結生に伝えてみることにした。



「ゆ、結生」

「どうしたの？弥生」


珍しく私のほうから話し掛けられたことに感動しているのか、結生が嬉しそうな顔で振り向いた。


…つくづく可哀想なやつに思えてくる。普段から私はそんなひどい扱いをしていただろうか。

とりあえず気を取り直して、結生の顔を見上げる。



「あ、あのね！」

「うん！」


にこやかな顔で反応してくるものだから、ちょっと罪悪感が芽生える。