きみを好きになる瞬間
「……まあ、そのうち確かめるけど」
そう言いながら結生は椅子に腰掛けたまま、その細長くて綺麗な指先で一度だけ机をとん、と弾いた。
…確かめる?
どういうことだろう。見張ったりするつもりだろうか。
結生の放った言葉を理解することができずに、彼以外の私たちが疑問を抱いていた。
それからというもの、私と高橋は結生に疑われないように、昼食は揃って食べたり、たまには一緒に帰ったり、校内ではできるだけ毎日くっついて過ごすようにしていた。
ただ、高橋と一緒にいるのは疲れるっていうか、暑い。
あといちいちオーバーリアクションだ。
「あんたたち懲りないねえwww」
「…やっほー咲さん……」
「おや、お疲れですか」
「当たり前じゃん!あの高橋と四六時中一緒にいるんだよ!暑いよ!」
いや四六時中ではないだろ、と咲さん。
事の発端は私なのに、咲に愚痴を話しだす。