きみを好きになる瞬間

「なにしに…来たの?」


私がおそるおそる聞くと、「少し前に言った通りだよ、弥生と高橋くんが付き合ってるかまだあんまり信用してないから」と、淡々と答えた。

それに続けて、


「確かめに来たんだよ」




そう言った結生の声は、冷たくて、なにか含んだような声だった。




「た…確かめるって…写真とか?残念ながら高橋とは一枚も撮ってないよ」

「ちがうよ。そんなことじゃない」



なに…?じゃあ、結生は何をするつもりなの?何考えてるの?

結生は始終薄笑いを浮かべていて、なんだか怖い。
思考が全く読めない。


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