きみを好きになる瞬間
「そうだな、付き合ってるっていうなら番号くらいは知ってるよね?」
「た、高橋の?交換はしてるけど…」
「かけて」
違和感を感じたけど、とりあえず指示に従って高橋に電話をかける。
これで本当に信じてくれるなら助かる。
冷たいコール音が繰り返し耳に響く。
高橋出るの遅いなあ…なにしてるんだろうあいつ。
早く結生に帰ってもらいたいのに。
そう思った瞬間、首筋に何かを感じた。
「…!?え…っゆ、結生…!?」
私の首筋に、結生の唇が這う。
「な…っにすんの、やめてよ…!」
耳から離した携帯を手に持ったまま、必死で抵抗する。
でも、結生の手が服の中に忍び込んできて、体が一気に硬直する。