きみを好きになる瞬間
「…やめてよ……っ結生…!」
「…本当に嫌がってる?」
後ろから私の胸を弄びながら、結生が耳を甘噛みした。
噛まれたところがじんじんと甘い熱を帯びる。
最悪だ。
こんなことをしてくる結生も、抵抗ができない私も。
『あのさー長谷川ー!全然聞こえねーんだけど!なに?イタ電のつもりなわけ?
あ、もしかしてあれ?付き合ってるフリのやつ今後どうするかって話?』
――結生が私の手から携帯を奪って電源を切った。