きみを好きになる瞬間
「…やっぱり、嘘だったんだ?弥生」
たった今高橋から、決定的証拠を聞いてくすりと笑った結生。
「………最低」
「弥生も僕に嘘を吐いてたよ」
つつ…と結生の指先が私のお腹をなぞる。
「…っ!」
いちいち手の動きがいやらしい。
「…もういいでしょ、離れてよ…っ」
「…だめだよ、弥生は僕に嘘をついたんだから。すぐに嘘だってわかったからよかったけど、最初は本当にショックだったんだよ」
……!
…こいつ、最初からわかってて、私にわざとこんなことさせてたんだ。
嘘だと気づいていたのに、私に電話させて、私を弄んでた。