きみを好きになる瞬間



「ね、弥生、一緒に帰ろ」

「い や!」



放課後になっても犬のように私の後をついてまわる結生。

それプラス、私と結生の名前には「生」という字が入ってるからって、咲に「生き生きコンビ」と全くもって意味不明で不愉快なことを言われて今の私は機嫌が最高に悪い。




「ねえ、なに怒ってるの弥生」

「うるさーい!私のことは放っておいてよ!」

「でも帰る方向は一緒だよ?」



ぐ…ぐぬぬ…家が近いからというなんとも安直な理由で小さい頃仲良くなってしまった上に、今の今まで幼なじみやってるんだ。ちょっと自分の家が恨めしくなった。

そんなこと今さら考えても意味ないけど。



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