-Vermillion-
#03「The Moon」正位置 – 不安
-AVRIL 25 (Mer)-
傘を持たない私達三人は話し合った結果、
一番近い水野家に寄る事になった。
お風呂で加奈と体を温めて、
爽がお風呂を使っている間に、真朱が返って来た。
「ただいま……」
「おかえり…」
「真朱、おかえり!」
「あれ、帰ってたんだ。今から傘を届けに行こうと思ったのに。」
「遅いよ!帰って来ちゃったじゃん!」
真朱の前で加奈は何だか甘えた様な、
少し寂しい様な、そんな表情をする。
「いい風呂だった……あ、真朱兄!お邪魔です。」
「爽!俺より先に風呂使ったな?」
私と爽は幼稚園の時から、
後を追う様に真朱の通った学校に進んでいた。
今真朱は、余山大の一年生。きっと爽も、そこへ進学するだろう。
真朱が作ったカレーを皆で食べた後、
女子達がゲーム対戦している間、男子達は話に花を咲かせていた。
「それにしても、本当似てない兄妹すよねぇ。」
「そうか?俺は似てると思うけど。」
「似てないってよく先生に言われてたじゃないすか。」
「どの辺が似てないんだよ。」
「んー…目、とか。」
「目の色、って言いたいんでしょ。」
爽の言葉を聞いて、加奈が口を挟んだ。
「その事は言うなよ。朱乃が気にするだろ。」
話題を裂けるように、真朱は強く警告した。