-Vermillion-
-AVRIL 26 (Jeu)-
「おい!水野、西山、起きろ!」
ドアの向こうから聞こえる爽の騒がしい声に、嫌々起きて目覚ましを見る。
時刻は、午前五時半。加奈が低血圧ながら怒りを爆発させた。
「ふざけんな、今何時だと思ってんだ。」
「は、はい…すみませんでした……」
午前七時。
リビングに降りた私と加奈を見て、爽は大袈裟に溜息を吐いた。
「お前らよく寝られるな?今日が何の日か分かってんのか?」
「何。誰かの誕生日?」
「ちげぇよ!前回の事件から二日目、今日は、被害者が発見される日だ。」
私達は最近の行動の目的を思い出すと、慌ててテレビを付けた。
(四月二十六日、今日の余山は一日中ひどい雨模様に見舞われる――)
ピ。
(警察によりますと、連続殺人事件の被害者には共通点があると――)
ピ。
(全員AB型なんですねぇ。吸血鬼さんはAB型がお好きらしい。)
ピ。
(被害者は皆、首から肩にかけてひどく爛れており、殺害方法は未だ――)