-Vermillion-
私はお風呂から上がって部屋に戻ると、加奈に電話した。
‐もしもし、朱乃どうかした?
「加奈…?夕方のニュース…」
‐見た。買い出しを明後日にして、パトロールする事になったから。
「分かった…」
‐じゃ明日家行くね!
「うん、バイバイ…」
月明かりが天井を青白く照らす、とても静かな夜だ。
私は電気を消して布団に入った。枕元で美影が羽を休めている。
私は何となく話し掛けてみた。
「事件はまだ、終わってないの…?」
‐はい、その様にございます。
「そう…なら真朱には、まだ内緒にしないとね…」
そう言うとゆっくり目を閉じて、深い眠りへと落ちていった。
-AVRIL 29 (Dim)-
日曜日らしい爽やかな気分で目覚めた。
今日も、お天気だ。
リビングに降りると、
早くも爽と加奈が来ていて、真朱と三人で朝食を取っていた。
「おはよ朱乃、今日はベーグルサンド作ったから。」
「わぁ…美味しそう…」
「水野、邪魔してるぜ!」
「あんたは本当に邪魔だよね。」
賑やかな朝食の後、
私達は東高前まで歩いてから、バスに乗ってセンターに向かった。
「にしても、三日のブランクは一体何だったのかねぇ。」
「殆ど血残ってなかったんだろ?よほど美味かったんじゃねぇ?」