-Vermillion-

 午後三時、遅い昼ご飯を食べにセンター街へ向かいながら、
 三人で頭を悩ませた。
「扉には触るな、かぁ。俺達には見えなかったのにな。」
「共通点は目の色と年齢でしょ?って事はそこがポイントじゃない。」
「つまり朱い目をした人間は、全員触らない方がいいって事か?」
「それってまるで、他にもいるって言い方だよね。」
 
 脳裏に真朱が浮かんだ。
 この事を説明しないと、触ってしまうかもしれない。
 でもそうすると真朱に、全てを話さなくてはいけなくなる……
 私は迷った。

 ファミリーレストランでご飯を食べている時、私の携帯が鳴った。
 画面に表示された名前に、三人で顔を見合わせる。

[着信:結城 遥]。

「もしもし?今、電話大丈夫?」
「うん、どうしたの…?」
「明日の昼は時間ある?お茶でも。」
「お昼なら、大丈夫…」
「じゃ明日三時に、中央余山駅前で!」

 私は加奈と爽を見た。
 明日は真朱の誕生日会の買い出しに行く予定だ。
「買い出しは俺と西山で行って来るから、水野はそっち行って来いよ!」
「お呼び出しじゃ、仕方ないね。話聞いてきなよ。」
「ごめんね…?ありがとう…」

 私は本当にいい友達を持ったと、二人の心遣いに感謝するばかりだ。
 遥ちゃんには聞きたい事が沢山ある。
 扉の事、瞳の事、事件の事……これはいい機会だ。
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