-Vermillion-
売店で買ったランチボックスを開くと、街を見下ろしながら食べた。
「やっぱりいいな、観覧車って。」
「高い所、大好きだもんね…」
「昔はよくこれ乗りに来たよな。」
私は頷きながら、鞄から綺麗に包装された小さな箱を出した。
「はい…お誕生日おめでとう、真朱…」
「お!ありがとう。開けていい?」
「うん…気に入るか、分からないけど…」
それを聞いて真朱は少し笑うと、丁寧に包装を開けた。
中身はシルバーネックレス。
真朱に似合うだろうと、前に一目惚れして買った物だ。
真朱は手に取って高く掲げた後、私の方に差し出した。
「俺不器用だから、着けてくれない?」
私は黙って受け取ってから、立ち上がって真朱の首に手を回した。
着け終わった合図に、肩を軽く叩く。
「不器用って…一人で着け外し、出来る様にならないと…」
「いいよ。多分、外す事はないから。」
真朱はネックレスにそっと触れた。
私は向いに座り直すと、その様子を眺めた。
昔は広いと思っていた個室が、今は心なしか狭く感じる。
大人になるってこういう事なんだと思うと、少し寂しくなった。
家に帰って布団に倒れ込んだ時、珍しく美影から話し掛けてきた。
‐喜んで頂けた様で、何よりでしたね。
「そうね…本当に良かった…」
‐主様は、高い所がお好きなのですか?
「本当は嫌いだけど、真朱と一緒なら、怖くないから…」
ピピピ。
突然鳴った携帯の着信音に少し驚く。遥からだ……
‐朱乃、明日何してる?GWだしどっか行かない?
「実は明日…そうだ、もし良かったら…」
「やっぱりいいな、観覧車って。」
「高い所、大好きだもんね…」
「昔はよくこれ乗りに来たよな。」
私は頷きながら、鞄から綺麗に包装された小さな箱を出した。
「はい…お誕生日おめでとう、真朱…」
「お!ありがとう。開けていい?」
「うん…気に入るか、分からないけど…」
それを聞いて真朱は少し笑うと、丁寧に包装を開けた。
中身はシルバーネックレス。
真朱に似合うだろうと、前に一目惚れして買った物だ。
真朱は手に取って高く掲げた後、私の方に差し出した。
「俺不器用だから、着けてくれない?」
私は黙って受け取ってから、立ち上がって真朱の首に手を回した。
着け終わった合図に、肩を軽く叩く。
「不器用って…一人で着け外し、出来る様にならないと…」
「いいよ。多分、外す事はないから。」
真朱はネックレスにそっと触れた。
私は向いに座り直すと、その様子を眺めた。
昔は広いと思っていた個室が、今は心なしか狭く感じる。
大人になるってこういう事なんだと思うと、少し寂しくなった。
家に帰って布団に倒れ込んだ時、珍しく美影から話し掛けてきた。
‐喜んで頂けた様で、何よりでしたね。
「そうね…本当に良かった…」
‐主様は、高い所がお好きなのですか?
「本当は嫌いだけど、真朱と一緒なら、怖くないから…」
ピピピ。
突然鳴った携帯の着信音に少し驚く。遥からだ……
‐朱乃、明日何してる?GWだしどっか行かない?
「実は明日…そうだ、もし良かったら…」