-Vermillion-

　遥は本を広げると、楽しそうに言った。
「じゃうちが見てあげるよ。星座と血液型言って！」
「私、A型の天秤座…」
「人当たりが良く、バランス感覚で生きる。正義感が強い完璧主義者。」

「朱乃はこう見えて強い子だからな。俺はA型の牡牛座。」
「地道に生きるロマンチスト。慎重で一途。」

「真朱はそんな感じかも！あたし、AB型の魚座。」
「AB型……？」
「うん、それがどうかした？」
「いや。えっと、優柔不断、思いつきで物事を判断しがち。」

「西山は本当何でも思いつきだよな。」
「うるさいよ！谷村にだけは言われたくないわ。」
「俺は？俺は？B型の獅子座なんだけどさ！」

「明日君は大雨に見舞われます。」
「何で俺の上にだけ大雨が降るんだよ！」
「冗談だって。
　大勢といるのが好きで、喜怒哀楽が激しいだって。」

「確かに…爽はいつもそう…」
「お、珍しい。水野も駄洒落言うんだな！」

　夜布団に入ってからも、気持ちが高ぶってなかなか寝付けなかった。
　五人で旅行に来て、本当に良かった。