-Vermillion-
地獄蝶は魔犬の主人に仕える魔界の使者で、道案内をしたり、
伝達役になったりする、言わば家来の様な存在なの。
それを従えられるのは、魔界でも上層階級者とされている。
「つまり魔犬の主人は、魔界において相当高い地位を得る事になるの。」
「いい暮らしは保証される、って訳か……」
「そうね。そうでなきゃ、あまりに理不尽だものね。」
「へぇ。理不尽なんて概念があんたらにもあったとは意外だな。」
「私達だって、元々は人間なのよ。感情くらい兼ね備えているわ。」
「元々は……?今は、人間じゃないのか。」
WNOの職員の内で本社で務める者は、
この世界ともあの世界とも違う特殊な空間で仕事をする事になる。
人間や魔物がその空間に行く事は出来ない。
その空間に既存する物質から、創り出す事しか方法はないのだ。
「その世界にあった元素から、作られた人間だって言うのか?」
「私達を人間と呼ぶのは、そもそも間違っているわ。」
「ならそこは一体、どんな所なんだ?」
「輝く大気の上層、雲や月の領域。
この世界では、エーテル、と呼ばれるのかしら。」
「エーテル……」
伝達役になったりする、言わば家来の様な存在なの。
それを従えられるのは、魔界でも上層階級者とされている。
「つまり魔犬の主人は、魔界において相当高い地位を得る事になるの。」
「いい暮らしは保証される、って訳か……」
「そうね。そうでなきゃ、あまりに理不尽だものね。」
「へぇ。理不尽なんて概念があんたらにもあったとは意外だな。」
「私達だって、元々は人間なのよ。感情くらい兼ね備えているわ。」
「元々は……?今は、人間じゃないのか。」
WNOの職員の内で本社で務める者は、
この世界ともあの世界とも違う特殊な空間で仕事をする事になる。
人間や魔物がその空間に行く事は出来ない。
その空間に既存する物質から、創り出す事しか方法はないのだ。
「その世界にあった元素から、作られた人間だって言うのか?」
「私達を人間と呼ぶのは、そもそも間違っているわ。」
「ならそこは一体、どんな所なんだ?」
「輝く大気の上層、雲や月の領域。
この世界では、エーテル、と呼ばれるのかしら。」
「エーテル……」