-Vermillion-

きゃあああああ!――
公園の方から叫び声がして、四人は息を飲んだ。

「俺が見に行く。お前らはここにいろ!」
真朱は叫びながら、バイクを走らせた。
私達も思わず走って追いかける。

一瞬其方を向いてから、
避ける様に急ぎ足で歩き出す人々に逆らって、ひたすら走った。

公園に入ると、
入り口を飛び越えて駆け込んだ爽が、何かを見ながら立ち尽くしている。
爽の視線の先には、血まみれで血色のない男の人が倒れていた。
思わず口元を手で覆う。

「嘘、でしょ……?そんな……」
遥は声を絞り出すように言った。爽はショックで座り込んでいる。

「頼む、目を開けてくれ!」
さらに奥の方から真朱の声が聞こえて、三人は我に返った。
急いで其方へ向かう。
少し走ると、茂みの中に真朱の姿が見えた。
しゃがみ込んで腕に何か抱えている。

足音に気付いた真朱が振り返った。
その両手は、生々しい血で朱く染まっている。

あらゆる音が消えて行く中、
唯一聞こえるのは、
忍び寄る絶望の足音だけ――
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