あなたの隣で。
「茶髪、ピアス、制服の着こなし全て校則違反だ。
明日までに直してこい」
「う−い」
気だるそうな返事をしながら教室に入る明希。
どんどんと
距離が近づいていく。
すると、今わたしの存在に気づいたのか
明希はわたしに
笑いかけた。
あの時のにやにや
笑いとは違う
子供のように無邪気な
笑顔だった。
「おう、お前
俺の席の後ろじゃん。
やったな〜!」
不覚にもその笑顔に
わたしは目を奪われた。
こいつ…こんな笑顔
できるんだ。
いや、きっとわたしの
反応を楽しんでるんだ。
あの時だって
俺の女になれとか
訳分かんないこと
言ってたし。