あなたの隣で。
「だから、わたしはあんたの女になんか…」
「へえ、あの女がどうなってもいいんだな?」
そう言うと
明希は美央に目を向けた。
美央は先生の話に
集中しているので
明希の視線には
全く気づいていなかった。
「…っ…それはっ…」
思わず
言葉がつまるわたし。
そんな様子のわたしを見て明希はにやりと
笑みを浮かべた。
「……もう文句言うなよ?
お前は今日から俺の女だ」
こうしてわたし達は
恋人同士になった。
だけどこれは
疑似恋愛。
お互い好きでもないのに
付き合う。
明希にとっては
ただの暇つぶし。
────────だけど…
本気であなたのことを
好きになるなんて
この時は思ってもみなかったよ───…