あなたの隣で。
「…でさ−…おい!俺の話聞いてんのか?」
「あ、ごめん。どうやったら
この関係が終われるか考えてた」
隠す気もなく
わたしはさらっと答える。
それを聞いて
明希はいつものように
楽しそうに笑った。
「お前ほんと正直なやつだな!」
…正直だけが取り柄だからね、わたしは。
「まあね。で、いつになったら別れてくれるの?」
決まって毎日
わたしはこの質問をする。
そして、明希も決まって
返す言葉は変わらない。
「お前が俺に惚れるまで」
こいつは毎日毎日
何を考えているんだろう。
わたしが明希に惚れることなんかある訳ないのに。
それくらいも
分からないのだろうか。