あなたの隣で。
公園をふと見渡すと
傘もささずに立っている男の人が目にはいった。
…傘ささなきゃ風邪ひいちゃうよ…。
「あとちょっとで明希の家だし…いっか…」
あと少しで明希の家なので
わたしは
傘を貸すことに決めた。
男の人に
早足でわたしは近づく。
遠かった姿がだんだんと
はっきり見えてきた。
それと同時に…
その男の人の髪型や背中、背丈などもはっきりしてきた。
…わたしは目を疑った。
だって背丈も髪型も
後ろ姿も全て…
わたしが今まで見てきた
好きな人そのもの
だったから。
…まさか…まさかね…。