あなたの隣で。
涙の理由
全速力で走って
やっと屋上に着いた。
今わたしの目の前には
屋上のドアがある。
きっとこんな機会が
なかったら屋上なんて
来なかっただろうな…。
そんな事を思いながら
ドアを開けた。
―――――――ギギッ
目の前には
澄んだ青空が広がっていた。
そして………
「…え?百合?」
聞いたとおり
明希もそこにいた。
屋上で寝っ転がって
うたた寝でも
していたのだろうか。
少し寝ぐせがついていた。
そんな明希にすら
わたしは不覚にも
キュンとしてしまう。
「……明希と話したくて来た…」
明希は驚いたのか
わたしをじっと見つめた。