優柔不断男の苦悩

「祐くんが好きだよ」

──ああ、もう俺はダメかもしれない。

泣きながら俺に好きだと伝えてくる雪奈が。

全身で俺が好きだと笑う雪奈が。

可愛くて可愛くて仕方がない。

「雪奈……」
「ん?」

上目遣いで見てくる雪奈は、嬉しそうに微笑んでいる。

俺が名前を呼ぶだけで一喜一憂するこの女の子が、堪らなく愛しい。


俺、我慢したよね。

うん、したした。

考えてみろよ、この状況。

親が留守の家で女の子と二人きり。

しかも俺のことが好きな雪奈はこんなに無防備でさ。

男として、これは手を出さないわけにはいかないわけよ。

「雪奈、俺……」

とりあえず、ちょっとぐらいは……仕方がないよな?

「んっ、祐く……っ」

雪奈の細い腰に腕を回す。

片方は頭に添えて、雪奈の唇をとらえる。

やべっ、なんかめっちゃ甘い!

「あっ、ふぁ」
「雪奈……っ」

時々苦しそうに息を漏らす雪奈が色っぽい。

少しだけ、と雪奈の口内に舌を入れた。

「祐くんっ、あ、んん!」

今まで我慢していた分が一気に溢れる感じ。

体が熱くて熱くて、何もかもが甘い。


──『祐一なんかだいっきらい!!』


一瞬、真由のあの泣き顔が浮かんだ。

「祐くん……、あの」

唇をはなすと、頬を紅潮させた雪奈が息絶え絶えに話す。

「あたってる」
「!?」

俺の欲望丸出し過ぎだろー!!

「ご、ごめん!」

恥ずかしすぎる恥ずかしすぎる!!

真っ赤になった顔を手で隠し、すかさず雪奈から距離を取る。

しかし、雪奈の手がそれを止めた。

「祐くんなら、私、いいよ」
「ばっ!!」
「祐くん……しよ?」

今度は雪奈が反撃をし始めた。

俺の足の上に跨がり、俺にキスを自分からしてきた。

「ん!?」

しかも、雪奈は俺の手を自分の胸へと誘導するときた。

あ、柔らかい。

真由を思い出したことで一瞬戻った理性は呆気なくなくなった。

もう限界です。

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