桜‐幕末恋物語‐
母「・・・どうやら時間のようね。桜、頑張りなさい」
桜「え・・・お母さん待って!!また会えるよね?」
母「・・・愛してるわ、桜。私が側に居られない分いっぱい愛してもらいなさい」
桜「お母さん・・・」
母「そんな顔しないで。かわいい顔が台無しだわ。大丈夫、いつかきっと・・・」
お母さんはそういうと頭を軽くなでてゆっくりと姿を消した。
―――目を開けると見慣れた天井が目に入った。
平「起きたか?」
桜「藤堂さん・・・。ご迷惑をおかけしてすいませんでした」
平「気にすんなって」
藤堂さんは明るくそう言ったけれど、視線は髪に向けられていた。
一束掴んでみてみる。・・・黒い・・・。
私はお母さんの言葉を思い出して、藤堂さんに向き直った。