桜‐幕末恋物語‐
桜「現に、藤堂さんは見ているはずです。昨日の夜、私の髪の色が変わるのを」
ざわつく室内。
左「それ本当か、平助」
平「・・・あぁ・・・」
藤堂さんは少しの間の後にこう続けた。
平「今は真っ黒だけど、昨日の晩は綺麗な桜色だった・・・。っていっても、桜が気を失っていた間だけだけどな」
総「ってことは、それが事実だってこと?」
桜「・・・はい。私も昨日初めて知った事実です」
私はそう言って俯いた。
土「俺は信じねぇ。見たのが単純な平助だけなわけだしな」
桜「・・・山崎さんも見たんじゃないですか?天井裏にいましたよね?」
私の問いかけに、天井から姿を現した忍者。
山「さすが未来人。俺のことも知ってたか。・・・副長、昨晩確かにこいつの髪色は変わってました」
山崎さんのその言葉に、土方さんは渋々納得したようだった。