桜‐幕末恋物語‐

―――夜、皆が寝静まったころ、私はごそごそと荷物の整理をしていた。

ちょうど今は藤堂さんは厠に行っていてここにいない。

山崎さんも他の仕事があるらしく、監視にはついていないみたいだ。

桜「急がなきゃ」

私は必要最低限の荷物だけ持つと部屋を抜け出した。

走り書きを置いて・・・。


今のうちにより遠くに行かないと、ばれるのも時間の問題だし・・・。

私は周りの様子を窺いながらそっと屯所からでた。

夜の京の町は暗く、人が全くいない。

私はそんな中、ひたすらある場所に向かって走り続けた。

途中、巡察中の6番隊や見廻り組に遭遇しかけたけれど、私はひたすら走った。

気づけば、目的地に着いていた・・・。

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