桜‐幕末恋物語‐
しばらくボーっと町を眺めていると、ふいに彼の声が聞こえた気がした。
?「・・・ら・・・くら」
空耳?
そう思ったけど、声はだんだんはっきりと聞こえるようになっている。
私は声の聞こえる方に視線を向けた。
と同時に目を見開く私。
彼が丘を駆け上がってきていたのだ。
私は急いで立ち上がると、反対側から丘を駆け降りる。
桜「なんで・・・」
?「・・・な・・・・・・げる・・・」
?なんで逃げるのかって?
あなたが追いかけてくるからでしょ!?
私は無我夢中で走る。
そのせいで私は、気づけば森の中にいた。