桜‐幕末恋物語‐
桜「・・・離してください・・・・・・藤堂さん」
私は彼の胸を押しながら言う。
平「無理。・・・もう勝手に出て行ったりしないでくれ・・・」
桜「・・・ど、して・・・。私は化け物なのに・・・どうして・・・」
そんなに優しくしてくれるんですか・・・?
そう続けようとしたのに、その言葉は彼に遮られたおかげで言うことができなかった。
平「お前は化け物なんかじゃない。お前は胡桃桜だ。優しい心を持ってる」
桜「・・・そんなに優しくしないでください・・・。その優しさは本当に大事な人にあげてください」
そんなに優しくされたら、もっと好きになってしまう・・・。
平「今までさんざん主張してきたつもりだったんだけどな」
桜「?」
平「俺がお前のことを好きなら優しくしてもいいんだな?」
その言葉に私は目を瞬いた。