桜‐幕末恋物語‐

―――気づけば禁門の変も過ぎ、季節は夏真っ盛り。

桜「・・・」

私は道場の光景を見て言葉を失った。

隊士「暑い・・・」

隊士「手加減してほしい・・・」

道場内で多くの隊士が倒れている。

中心には沖田さん。

総「あれ、桜ちゃん」

桜「沖田さん、これ何ですか・・・?」

総「ん?稽古。暑さでへばってるのと僕にやられてへばってるのがいるよ」

周りの隊士さんを一瞥しながらそういう彼。

総「手ごたえなさすぎてねぇ・・・」

桜「それは沖田さんが強すぎるからなのでは・・・?」

私は苦笑しながらそういうと、道場の隅で素振りを始めた。

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