桜‐幕末恋物語‐
伊「藤堂君、あの子できた子ね」
平「そうですね。よく働いてくれますし俺も助かってます」
伊「・・・あの子も欲しいわね」
平「?何か言いましたか?」
伊「いいえ、何でもないわ」
私の後ろでこんな会話が繰り広げられていたなんて私は気づかなかった。
―――局長室前
桜「近藤さん、伊東さんがいらっしゃいました」
近「胡桃君か、入ってくれ」
桜「失礼します」
私はすっと戸をあけると、伊東さんに中に入るように促した。
桜「それでは私たちはこれで」
部屋を立ち去る直前、私は土方さんに視線を向けると口を動かす。
“気を付けてください”
土方さんは軽く頷いて見せた。