桜‐幕末恋物語‐
試合はその後も続き、私の体力も限界に近い。
一旦間合いをとるべく離れた私に一さんは高速で近づいてくる。
私は静かに体勢を立て直すとこう続けた。
桜「これでおわりです」
一さんが斬りこんできたところを狙って、背後に回る。
私の竹刀は一さんの首元にそえられていた。
総「勝者。桜」
一「・・・負けた。腕をあげたな」
桜「ありがとうございます。一さんには初勝利ですよね」
一「あぁ」
そんな会話をする私たちをじっと見つめる1人の男性。
私はそれに気づいていないふりをする。
一「・・・桜」
桜「あれ?一さんも気づいてたんですか」
斎藤さんも気づいたらしく、私たちの話は彼の話題へと移り変わった。