桜‐幕末恋物語‐
桜「立ち聞きしてたんですか?」
平「い、いや!俺じゃねぇ!俺はさっき来たばっかりだ!」
桜「・・・そうですか」
あれは絶対平助君の気配だった。
そんなに隠したいことなら気づいていないフリをしておこう。
そう思ってる私のそばで平助君は“危なかった・・・”と呟いていたらしい。
そんなこと私は全く気づかなかった。
山南「ところで藤堂君。人の部屋に勝手に入ってくるのは感心しませんね」
平「うっ・・・山南さんごめん・・・」
山南さんの笑顔の圧力に委縮する平助君。
山南「別に気にしてませんが。胡桃君、彼にお茶をいれてあげてください」
桜「あ、はい」
山南さんはなんだかんだ言っても優しい人だ。
頼りがいのあるお父さん的な存在。
でもお父さんは近藤さんだから・・・叔父さんとか?
私はお茶をいれながらそんなくだらないことを考えていた。