桜‐幕末恋物語‐

山南「・・・かんざしはこれにします。匂い袋は・・・これですね」

山南さんは笑顔でそういうと、店の奥に入って行った。

それを見送った後、ふと隣を見ると平助君がいない。

桜「・・・平助君?」

山南「?どうしたんですか?」

会計を済ませた山南さんが帰ってきた。

桜「平助君が消えました」

山南「あぁ。彼でしたら外にいますよ」

桜「そうだったんですか」

私たちは店を出る。

外に出ると、山南さんの言った通り平助君が壁にもたれて立っていた。

桜「平助君」

平「お。決まったのか?」

山南「はい。いいものが見つかりました」

平助君は“そっか”とほほ笑むと、伸びをした。

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