桜‐幕末恋物語‐

平「それじゃあ帰るか?」

山南「そうですn・・・」

桜「ちょっと待った!山南さんは朱里さんのところに行って来てください」

無理やり言葉を遮ってそういう私に2人は驚いたような顔をした。

山南「でも・・・」

桜「でもじゃない!まだ日が暮れるまで時間があるし、いつもより長く一緒にいられるんですよ!土方さんには私たちから言っておくんで、行ってください」

平「そうだな。山南さん行って来いって」

私たちの説得に、山南さんは優しく微笑んだ。

山南「それでは行ってきます。ありがとうございました」

そう言うと、彼は身をひるがえして人ごみに消えて行った。

桜「山南さん、贈り物探してる時、朱里さんが大好きでたまらないって顔してたんだよ」

私がそう言って微笑むと、平助君の頬が若干赤く染まった。

平「俺だって、お前のこと・・・だ、大好きだし」

呟くような小さな声でそう言った平助君。

私はその言葉に体温が上昇したのが分かった。

< 150 / 219 >

この作品をシェア

pagetop