桜‐幕末恋物語‐
桜「これ、あげる」
そう言って平助君の手に乗せられた結紐。
平「結紐・・・?」
桜「うん。その色、平助君によく似合うと思って。・・・いらない?」
私が選んだのは黄色のもの。
平助君の明るい雰囲気にはよく似合う色だと思ったんだ。
平「いる!超大事にする!ありがとう、桜」
桜「よかった」
安堵の息をもらしながらそういう私に、平助君は微笑みかけてくれた。
平「それじゃあ帰ろうか」
平助君はそう言って歩き出す。
桜「待って!」
私は急いで彼の背中を追いかけた。
平助君は数メートル先で待っていてくれる。
私は彼の隣に並ぶと、楽しくおしゃべりをしながら屯所に帰った。