桜‐幕末恋物語‐
本当はずっと一緒にお茶を飲んでいたかった。
だけど、山南さんが死んでしまわないなら、幸せになれるなら。
そんな想いで、彼を送り出す。
隊士皆が寝静まった夜中を狙って、彼の見送りをする。
平「山南さん、元気でな」
総「僕たちのこと忘れないでくださいよ」
山南「はい。ありがとうございます」
山南さんはやわらかい笑みを浮かべている。
隣には、さっき原田さん達が連れて来てくれた朱里さんの姿がある。
桜「山南さん、お元気で。朱里さん、山南さんとお幸せに」
朱「うん。桜ちゃん、今まで山南はんの相手してくれてありがとね。お元気で」
桜「はい」
山南「胡桃さん、今までありがとうございました。また会いましょう」
山南さんはそういうと、屯所を出て行った。
桜「また会いましょう・・・」
私の小さな呟きは冷たい夜風に溶け込んでいった。