桜‐幕末恋物語‐
西本願寺
伊「これで少しは広くなりましたわ」
桜「そうですね」
なんで私はこの人に絡まれてるのかな・・・。
土「おい、桜。ちょっと来い」
そこに天の助けとでもいうように現れた土方さん。
桜「はい。それでは伊東さん。また後ほど」
私は作ったような笑顔でそういうと、土方さんを追いかけた。
桜「土方さん!何かありましたか?」
土「いや。お前、顔引きつってたぞ」
桜「え・・・」
土「まぁ相手はアノ人だ。しょうがない。お前は加えてアノ人の悪事も知っているからな」
土方さんは地味にひどいことを言いながらも歩き続ける。
土「アノ人が離隊するのは確かだろうな。尊王攘夷派の坊主たちがいるここに屯所を移せるくらいだからな。お前の情報通りになるだろうな」
まっすぐ前を見てきっぱりと言い切る彼。
どんな時でも揺るがないその瞳を私はじっと見つめた。