桜‐幕末恋物語‐
御陵衛士
―――追いかけっこも日常生活の一部となり始めた。
気づけば幕末に来てもうすぐ3年がたつ。
最近は特に大きな事件もなく、半年前に三条制札事件があっただけ。
その時は史実通り、原田さんが大手柄をあげた。
それ以来、事件もなく穏やか過ぎる生活を送っていた私たち。
でも、もうすぐあの人たちは・・・。
私はこれから起こることを頭に浮かべながら、夜空を見上げる。
寝静まった屯所はなんだか不気味。
私は部屋に入ると、布団を敷いた。
平「桜、ちょっといいか」
桜「平助君?」
急にかけられた声に驚きつつ“どうぞ”と返事を返す私。
平「・・・俺さ、伊東さんについていくか迷ってるんだ」
桜「・・・行っちゃだめ」
私の返事に平助君は驚いたように目を瞬いた。