桜‐幕末恋物語‐
そのあと全員揃ったところで巡察に出た私たち。
今日はなんの異常もないな。そう思った時・・・
私は思わず足をとめた。
視線は一点に留まったまま、瞬きをすることも忘れるくらい衝撃を受けた。
平「桜・・・?」
平助君の心配そうな声が聞こえるけれど、声を出すことができない。
そんな私に気づいた視線の先にいた人物。
彼は一瞬驚いたような顔をすると、こっちに向かってくる。
私の唇は小さく震えていた。
?「桜!?」
桜「・・・」
?「桜だよな!?なんでここに・・・」
平「おい、あんた何者だ」
私の肩をつかんだ彼に平助君は警戒したような声でそう言った。
刀の柄に添えられた手は今にも抜刀しそうな状態だ。