桜‐幕末恋物語‐
別れ
時間が過ぎるのは早い。
気づけば明日が約束の日。
皆には話していない。
平「桜~」
桜「平助君・・・」
平「これお前にやる」
桜「うわぁ・・・。綺麗・・・」
私の手にはかんざしが置かれている。
平「ホントはずっと前に買ってたんだけどさ、いつ渡せばいいのかわかんねぇし・・・」
桜「嬉しいよ。ありがとう」
平「おう。あ、これもやる」
桜「櫛・・・?桜柄だ・・・。ありがとう」
桜柄の小さな櫛を見つめる私。
平「お前にぴったりだと思って。最近お前元気なかったし、どうしたら元気になるか分かんなくて。こんなことしかできないけど」
そう言った平助君に勢いよく抱きついた私は、涙をこらえながら囁く。
桜「ありがとう。一生大事にする」