桜‐幕末恋物語‐
目を覚ますと、私は桜の木が生えた丘の上にいた。
あの日、ここで眠る以前と同じ格好をした私。
桜「今までのは夢・・・?」
呟いた瞬間、私は何かを握っていることに気がついた。
それを見た私は今までのことが夢ではなかったんだと実感。
わたしの手には櫛と簪が握られていた・・・。
―――家に帰った私は、なんとなく新選組関連の本を開く。
そこに書かれた内容を目にした私の頬を一筋の涙が伝った。
私の名前がそこには確かに記されている。
桜「私は本当にここに存在してたんだね・・・」
皆の死んだ年や事件の結末が変わっている・・・。
私は本を軽く指でなぞりながら呟く。
桜「確実に歴史が変わってる・・・。私の年表役立ててくれたんだね・・・」
ってことは、手紙にも気づいてくれたのかな?
私はそんなことを考えながら、横になった。
目を閉じれば大好きな皆の顔が浮かぶ。
私は涙を流しながら櫛と簪を握りしめた。