桜‐幕末恋物語‐
翌朝・・・
平「桜。着替え終わったか?」
桜「はい。一応」
そう答えて障子戸を開ける。
私は藤堂さんから借りた袴に着替えて、髪も結った。
着替えている間廊下で待っていてくれた藤堂さんは私を見るなり赤面。
桜「どうしました?早く行きましょう?」
平「あぁ・・・」
私の言葉で我に返った藤堂さんは歩き出した。
歩く速さを遅めにしてくれているのは、きっと私のことを考えてのことだろう。
何処がなんの部屋だかも分からないし、歩く速さも早くはない私に合わせた速さで歩いてくれている。
私は周りを見渡しながら藤堂さんの後を追った。
・・・しばらく歩いたところで、広間のような部屋に着いた。