桜‐幕末恋物語‐

立たなきゃ・・・。

そう思うのに、身体全体が震えて立ち上がれない。

次第に込み上げてくる涙。

ここに来て初めてまともに表情を変えられたのが泣き顔なんてね。

桜「私・・・人を殺めちゃった・・・んだ・・・」

平「桜・・・」

震える手を見つめる私を藤堂さんは優しく抱きしめてくれる。

平「・・・帰ろう・・・」

そう言って私の腕を引いてくれる藤堂さん。

私は彼の背中を眺めながら震える足をなんとか動かす。

こんなことで泣いちゃいけない。

もっと強くならないといけない。

私は必死で自分を奮い立たせると、屯所まで帰った。