桜‐幕末恋物語‐
平「桜は・・・人を殺してしまったんです」
土「っ・・・ホントか・・・?」
土方さんが息をのんだのが分かった。
平「はい。最初は受け止めてただけだったんですけど、避けた拍子に相手の心臓を・・・」
土「・・・そうか。胡桃。お前は落ち着くまで休んでろ。平助は胡桃についててやれ」
平「はい」
私は声を出すことができず、ただ小さく頷くだけだった。
このままじゃ、ここに来た日と同じじゃない・・・。
ちゃんと声を出さなきゃ。
喋らなきゃ。
そう思うのに、何故か声が出ない。
私は首に手を当てて口を開いた。
それでも声が出ない。
私の異変に気付いたのは藤堂さんだった。