桜‐幕末恋物語‐

いつまでたっても立ち上がらない私を不思議そうにのぞきこんだ藤堂さん。

平「桜?部屋戻るぞ?」

私は口をぱくぱくと動かしながら目で藤堂さんに訴えかける。

土「どうしたんだ?」

平「桜・・・もしかして・・・。声が出ないのか・・・?」

土「っ!?」

驚愕の顔を浮かべる2人に、私は頷いて見せた。

土「・・・相当衝撃でかかったんだな・・・。とりあえず、部屋で休め」

桜『はい』

私は口パクでそう応えると部屋を後にした。

自室・・・といっても藤堂さんの部屋だけど・・・。

自室に戻ってきた私は、もってきた荷物の中から紙とペンを探しだす。

そこに、藤堂さんも読めるように崩した文字を書き込んだ。

〈声が出ないので、筆談します〉


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