桜‐幕末恋物語‐

「んで、こいつはなんなんだ」

部屋の中に入ると同時にそう問いかけてくる土方さん。

「見て分からないんですか?怪しい人ですよ」

「おい総司。副長に失礼だぞ。」

それをおちょくる沖田さんと、止める斎藤さん。

「はぁ・・・。総司、テメーはなんでそんなガキなんだ?少しは斎藤を見習え!」

・・・私放置されてますね。

「副長、こいつの処遇については如何様に?」

「あぁ。とりあえず、こいつが何者かが問題だな・・・」

「そうですね。なんであんなとこにいたのかも気になりますし」

3人の自己紹介しろ的な目に私は若干引きつつ口を開いた。

「私は胡桃桜と申します」

「お前何処から来た?長州の者か?」

「長州の者ではありません。私の質問にも答えてください。今日は何年の何月何日ですか?」

私の質問にこいつ大丈夫か?とでもいいたげな顔をした土方さん。

「元治元年5月3日だが」

確信。ここは江戸時代ですね・・・。



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