桜‐幕末恋物語‐
うす暗い空を見上げる。
遠くの方はまだオレンジ色に染まっていて綺麗だ。
夏に向けて日が伸びてきていることもあり、真っ暗ではないけれど、中途半端なこの空も嫌いではない。
いたるところに散りばめられた星がキラキラと輝いている。
桜「綺麗・・・」
私は空が好き。
昼間は青い空が夜になると暗くなって、月や星達が静かに輝く。
月や星の輝きはすごく魅力的でつい時間がたつのも忘れてしまうほど引き込まれる。
そんな空が好きなんだ。
ぼーっと眺めているうちに、いつの間にか空は真っ暗になっていた。
星の輝きが増した夜空は綺麗という言葉だけではあらわしきれないほど綺麗だ。
ここは未来と違って邪魔な高い建物がない分広く感じるこの空。
私はそこから動かず、いつまでも星を眺めていた。