恋 ~REN~
「お前さ、あの会場でぶっ倒れたんだよ。酒飲み過ぎて。酒弱いのによくあんな強い酒飲んだな~。南海が心配してたぜ。私のせいだぁ~って騒いでた(笑)」


「南海と知り合いなの?」


「あっ?うん。そうだけど?それよりほんとにだいじょぶか??あんま心配させんなよな」



そう言って少し笑った。


― ドキッ ―


その顔を見たとき心臓が大きく飛び跳ねた。ちょっと?!


何で?まさか、こいつの事気になってる…?



まっまさかね~。こんな嫌な奴。絶対にないない!!


でも、心配してくれたんだ。ほんとは、いい奴なのかな?



「でもよーお前ってほんと色気のイの字もないなぁー。女と一晩一緒にいて何の気も起きないんだからさー。めずらしいよほんと。」



むっか~!やっぱりさっきのいい奴ってのは撤回!!!



「何よ!あんた。ほっといてよ。あんたみたいなのに言われたくないっつうの!」


「ぷっははは~!そんだけ怒鳴れればもう大丈夫だな。まぁ、とりあえず送ってくよ。家どこ?」


「えっ?あっいいよ。っていうかここはどこなの?あのお城みたいなレストラン?なわけないよね??」


「あー俺んちだけど?何か問題でも?」


はぁ~~~?!何がどうなったらこいつの家に運ばれちゃうわけ?


そうだ!南海は?


「ちょっと待って!南海はどこにいるの??」


「お前倒れてから少しはあのレストランの一室に運んだんだけど、一向に起きる気配がなくて、南海は今度やるドラマのプロデューサーと打ち合わせがあるらしいからしょうがなく俺が連れてきたわけ。何か文句あるか?」



南海は仕事…。誰も知ってる人もいない…。で、こいつんちに来た。

良くはないけど、一応助けてもらったわけだし。文句は言えないよな…。
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