恋 ~REN~
「何笑ってんのよ!私は真剣に怒ってんだからね。」


「あははははっ。お前小学生じゃあるまいしキスしたぐらいでギャーギャー騒ぐなよ。
それよりさー周り見てみ?」



キスぐらいって。そりゃした事ないわけじゃないけど。


ノリでね。でも簾治とのキスは私にはすごく大切なことだよ。


何にも分かってないんだから……。



で、周り見てみって何よ。



えっ?えーーーー???



何この人だかり!



そっか私たちの今の騒ぎで余計に人が集まっちゃったんだ。



やっやばい…。。






「簾治!!早く逃げよう!!!」



「やっと気づいたかよー。だからさっさと車乗ればよかったんだよ。ほれっ走るぞ!」



そう言って、簾治は私の手を取り人だかりの中を走り抜け車に乗り込んだ。







― プップー ―



簾治の車はクラクションを鳴らし、大勢集まってしまった人達をどけて勢い良く走り出した。


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