恋 ~REN~
社長には嘘はつけないみたいだな。

言うしかないよね。


「…私簾治が好きです。大好きです。
そして私たちは付き合ってます。でも、誰に何と言われようと別れる気はありません。たとえそれが社長でも同じです。」


私は社長の瞳を真っ直ぐ見つめながらハッキリと自分の気持ちを伝えた。


「やっぱりそうか。
私は君達の恋愛に口を挟むようなことはしないよ。安心しなさい。むしろ、簾治が本気で人を愛することができて、そういう相手に巡り逢えて本当によかったと思ってるよ。
今まで簾治は本気の恋愛なんてしてこなかったからね。
だから私は反対していた。ただそれだけの事だよ。
今回はお互い本気なのが見ててよく分かるよ。
あらしちゃん。簾治の事よろしく頼むよ。あの子は強がってるけどすごく傷つきやすく、寂しがり屋なんだよ。
これからは、あらしちゃんがあいつを支えてやってほしい。」


社長…。


「ありがとうございます。私、簾治のためなら何だって出来る気がするんです。簾治を幸せにしてあげたい。
仕事の管理もしっかりやります。
これから頑張りますので宜しくお願いします。」


社長に認めてもらえてよかった。
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