恋 ~REN~
深夜2時、撮影は無事に終了した。


「あーらーしー。どうした?」


簾治が私の顔を覗きこむ。

私達は楽屋に戻り、帰りの支度をしているところだった。


撮影が終ってRENから簾治に変わっても私の不安は消えてくれない。。


きっと、それが顔に出てしまって簾治に気付かれたんだ。


「どうもしてないけど?何でよー?」


私は普段通りに言葉を返す。


「俺に嘘ついたって無駄だぞ。俺はあらしの事なら何でもわかっちゃうからなー。
まぁお前が不安そうなのは、だいたい予想がつくけどなー。

安心しろ。さっきの収録の話は全部嘘だからさっ。

あっ。映画に対しての意気込みとかはホントだけど、あの可憐とかいう新人は全く眼中にないから。

俺はあらしにしか興味ない。今もこれからも。

だから、そんな顔すんな。」


そう言うと簾治は私を優しく抱き寄せた。


私は、何も言わず簾治にしがみつく。


「あらし?わかった?」


「……簾治、私恐いよ。
簾治が私の前から消えちゃいそうで恐い。

簾治を信じてるよ?でも、可憐さんはきっと本気だよ。
きっと本気で簾治の事……。」
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